谷口太規「公益弁護士論」(法学セミナー新連載)
雑誌「法学セミナー」四月号から、谷口太規弁護士による標記連載が始まっています。
この連載は、弁護士の在り方について、単なる理想論でも教条的でも机上の空論でもない、いわば身体で感じる弁護士像を示すのになることでしょう。第一回に、その予感を感じます。期待しています。
勝手に連載のハードルを上げてしまった気もしますが、谷口弁護士にエールを送るとともに、皆様に(弁護士以外の方にも)、ぜひお読みいただきたく思います。
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雑誌「法学セミナー」四月号から、谷口太規弁護士による標記連載が始まっています。
この連載は、弁護士の在り方について、単なる理想論でも教条的でも机上の空論でもない、いわば身体で感じる弁護士像を示すのになることでしょう。第一回に、その予感を感じます。期待しています。
勝手に連載のハードルを上げてしまった気もしますが、谷口弁護士にエールを送るとともに、皆様に(弁護士以外の方にも)、ぜひお読みいただきたく思います。
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野口悠紀雄さんの新刊「超『超』整理法」(講談社)を読んでいます。
「『超』整理法」(中公新書)をはじめとする野口さんの一連の著作はすべて読んでおり、私の仕事スタイルにも多大な影響を与えています。
今回の本も、楽しく読めそうです。
さて今日は、私の仕事スタイルに大きな影響を与えたあと2冊の本をご紹介しておきます。
1冊目は「朝10時までに仕事は片づける」(かんき出版)
高井信夫弁護士の本です。「仕事術」本業界では、ベストセラー作家ですね。
私は仕事に手書きメモをかなり活用しているのですが、それはこの本の影響によるところ大です。また朝の活用も、この本にかなり影響を受けています。
2冊目は「100億稼ぐ仕事術」(ソフトバンク文庫)
そう、あの堀江貴文さんの書いた本です。
私とは対極の方ですので、意外に思われる方もいるかも。また、彼の振る舞いや事件などから、この本を紹介することに眉をひそめる方もおられるかもしれません。
ただこの本は、なかなかよく書けていると思います。仕事や情報の洪水に流されず自分のペースで、自分の視点で仕事をするためのヒントが、多数ちりばめられていると思います。
さて、こんな記事を書いたのには一応理由があって…
今の時期、新人弁護士が勤務を始めて一ヶ月くらいたち、人によっては仕事の洪水に流されそうになり、また時間の渦に巻き込まれ、自分を見失いそうになっている方がおられるかもしれない時期です。そんなときは、上記3冊に限らず、いろいろと出版されている「仕事術」の本を読んでみるのも、壁を打ち破るいいきっかけになったりします。
仕事に飲み込まれてしまいそうな方は、一度立ち止まって、このような本でも(食わず嫌いせずに)読んでみてはいかがでしょうか。
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昨日は福祉の現場職員の方々が主催されている定例勉強会に出てきました。この勉強会はいつも本当に勉強になることばかりで、このような機会を与えていだだけることに感謝しなければいけないと思っています。
さて、今日の勉強会テーマは「面接技術・対人援助技術」でした。僕自身、とくに最近関心の強い分野です。この会は生活保護行政や高齢者福祉の現場で苦労されている方々が参加されている勉強会で、そのような相談業務の現場でのさまざまな苦労も見えましたし、今日の会も、大変参考になりました。
で、今日の話題は、弁護士の「法律相談技術」。
対人援助技術の基本として、「バイスティックの七原則」というものがあります。以下昨日のレジュメからの受け売りなのですが、
1 個別化の原則
相手を個人としてとらえ、相手の問題状況に応じて個別的な対応をすること
2 意図的な感情表出の原則
援助者が相手の考えや感情(肯定的な感情も否定的な感情も)を自由に表現できるように働きかけなければならない。そして、その相手の感情表現を大切に扱わなければならない。
3 制御された情緒関与の原則
援助者は自身の感情を自覚し吟味しながら、援助者が相手の表出した感情を受容的・共感的に受け止めること。
4 非審判的態度の原則(受容の原則)
援助者は相手の言動や行動を、一定の価値基準や援助者自身の価値基準から良いとか悪いとか評価する態度を慎まなければならない。相手のあるがままを受け入れるように努め、相手を一方的に非難してはならない。
5 自己決定の原則
援助者は相手の意思に基づく決定が出来るように援助していく。問題解決の方策についてメリットとデメリットを検討しつつ自己決定に至る過程を一緒にたどったり、さまざまな選択肢を用意するなど自己決定の条件整備をすることも求められる。そして、その相手の自己決定を促し尊重する。
6 秘密保持の原則
相手から信頼を得るためには、援助関係の中で相手の言動や状況を秘密(プライバシー)として守らねばならない。また秘密(プライバシー)が守られることが保証されることにより、はじめて「意図的な感情表出」も可能となる。
7 専門的援助関係の原則
援助者は、個人的な関心・興味から相手に関わってはならない。援助者は、常に専門職としての態度で臨まなければならない。
…あたりまえのように見えますが、弁護士に引き寄せて考えると、法律相談においてこれらを実践できている方は、残念ですが、おそらくあまり多くありません。多くの法律相談は、相談者の話から一刻も早く法的結論を導くための情報を引き出す作業になってしまっています。
問題意識すらなくそのようになってしまっている弁護士もいれば、弁護士はそのような情報を与えるのが職務だからそれでいいのだ、という反論をする弁護士もいます。しかしそれに対しては、僕ははっきりと「NO」と言いたいのです。そんな弁護士像は、そろそろ克服されなければなりません。
民事訴訟制度の目的(存在理由)は何か、という根本的な議論があります。これについては、民事訴訟の目的は「紛争解決」にある、とする見解が有力です。
市民が民事訴訟制度を利用する意図は基本的にここにあると言っていいと思うので、僕も基本的にこの立場に賛成です。
で、とすれば、民事訴訟の前提・場合によってはスタートラインとなる、弁護士へのはじめての法律相談も、弁護士はその究極目的は紛争解決にある、と考えなければなりません。法的結論を導出・提示するのも、それが紛争解決に資するという理由で、正当化されるのです。
逆にいえば、紛争解決を遠ざける形で法的結論の提示にこだわる(または、そのような形でしか法律相談を実践できない)ことは、目的との関係では、場合によってはむしろ避けなければならないのではないでしょうか。それは、弁護士様の、高尚な、ありがたい専門知識のご開陳、にすぎません。話している弁護士はご満悦でしょうが、相談者にとってはけむに巻かれ、時には腹立ちすら覚え、満足せずに帰り、結局紛争解決には何にも役に立ちません。
相手の「援助」という視点に立ち切った上記七原則その他のソーシャルワーク的視点、及びそれらの意識化は、弁護士の法律相談業務の性質に矛盾しないばかりか、積極的に取り入れて行くべきと思います。
この話(なお、「リーガルコミュニケーション」とか「ロイヤリング」などとも言われます)、重要な問題だと考えているので、機会をあらためてまた書いてみたいと思います。(でも今日はここまで)
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友達から以下のようなメールがきました。
(以下、メール引用)
バリスター(barrister) の略だって聞いたことがあるよ。
俺も、べんごしのbかと思ってたけど(”○”)
なるほど。謎が解けました。ブログに書いてみるもんですね。
せっかくの機会なので説明すると…
バリスタ(barrister:「法廷弁護士」)とソリシタ(solicitor:「事務弁護士」)とは、イギリスの弁護士のことです。説明は以下参照。諸外国それぞれ法制度や法曹資格にはそれぞれの来歴からいろいろな形があることがわかります。
なお昨今の弁護士増員論との関係で、よく「国民一人当たりの弁護士が何人か」といった国際比較がされることがありますが、諸外国それぞれにこのように「弁護士」という言葉の意味するところが違うので(下記のように、イギリスでは「弁護士」というと、日本でいう司法書士、行政書士も含んでしまいます)、業務の実質を看過した単純な比較には、意味がありません。
司法制度改革審議会第5回(平成11年10月26日)事務局資料より
http://202.232.190.90/jp/sihouseido/dai7append/gaikoku.pdf
英国の法曹資格に関しては、その歴史的経緯等から、バリスタ(法廷弁護士)とソリシタ(事務弁護士)の2種類が存在しており、これは先進諸国の中ではイギリスだけである。
バリスタとソリシタとの違いは、依頼者との関係、裁判所における弁論権の2点にある。
依頼者との関係においては、ソリシタは、当事者から直接事件の法律相談を受けて、事件の依頼を受けることができるのに対して、バリスタは直接事件の当事者から法律相談を受けることができないし、また、事件の依頼を受けることもできない。また、裁判所における弁論権に関しては、ソリシタは、裁判所の中の県裁判所、治安判事裁判所という一番最下級の裁判所における弁論権しかないが、バリスタはすべての裁判所における弁論権が認められている。
このようなソリシタ、バリスタの違いから、弁護士に事件を依頼したいと一般の方が思うと、まず最初にソリシタのところに事件相談に行き、当該事件が高等法院、刑事法院以上の裁判所に係属する場合には、そのソリシタがバリスタに改めて事件を依頼することになる。これは依頼者から見ると、時間も費用もかかるという制度になっている。
このようなことから、英国では、現在、裁判所の利用者、司法制度を利用する者の利便を考えて、このバリスタとソリシタの違いを解消する方向に進めつつある。
更にソリシタの業務は、裁判所における訴訟関係業務だけではなく、不動産の登記関係の手続、各種契約書の作成、行政機関への提出文書の作成等、我が国の司法書士、行政書士等が行うような業務も幅広く行っている。ただし、これらの業務に関しては、必ずしもソリシタに独占させる必要はないのではないか、司法制度を利用する者の利便を考えるということから、既にソリシタの法律業務独占というのは英国では廃止をされており、現在、自由競争になっている。
このようなソリシタとバリスタの違いがあるが、その両者の間には制度上全く上下関係はない。収入面においても、バリスタの方がソリシタより上というわけではない。ソリシタの中には、いわゆる大規模なロー・ファームに勤務している者もおり、その者の収入はバリスタよりもはるかに上というケースもある。
次に、英国の法曹養成制度は、端的に言うと、バリスタとソリシタでそれぞれ別個の法曹養成制度をとっている。したがって、両者統一した司法試験制度というものはない。
なお、アメリカのロー・スクールとは異なり、最終的な法曹資格を取得するためには、このバリスタ、ソリシタともそれぞれ実務研修が必要とされている。
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法曹界では、検察官のことを「ピー」、裁判官のことを「ジェイ」、弁護士のことを「ビー」、と呼ぶ風習があります。
例文:進路に関する司法修習生の会話(架空)
A「何になるか決めた?」
B「俺はビー」
C「Dはピーらしいよ」
ここでいうピーはP、ジェイはJ、ビーはB、です。で、それぞれ、検察官、裁判官、弁護士を指します。
多分、Pは
public prosecutor
の略で、
Jもやはり
judge か justice
の略なのでしょう。
かっちょいいなあ。
で、Bって何の略だ?
弁護士は英語では
lawyer とか attorney-at-law
と言います。
違うじゃん。Bじゃないじゃん。
…ひょっとして、
bengoshi?
いい加減だなあf^_^; いかんいかん、そんなんじゃだめだー。
誰か、Bの謎を解いてください。
ついでに:
調書(警察や検察での取調べの結果をまとめたもの)は、英語ではstatementと言うので、
これも業界の慣用として、
警察官が作った取調べ調書=KS
検察官が作った取調べ調書=PS
、と呼んでいます。
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弁護士として福祉にかかわろうとする場合、各種認定・「手帳」に関する知識が必要になります。しかし、それをきちんと勉強する機会はなかなかありません。
そこで、弁護士として福祉にかかわろうとされている方の参考になるかな、と思い、ちょっとだけまとめてみました。
1 「要介護認定」
介護保険のサービスを受けるのに必要です。
認定は介護の必要性に応じ、要支援1(最軽度)~2、要介護1~5(最重度)の7段階に分けられています。
認定結果(等級)は介護保険被保険者証に記載されます。
※根拠:介護保険法
(市町村の認定)
第十九条 介護給付を受けようとする被保険者は、要介護者に該当すること及びその該当する要介護状態区分について、市町村の認定(以下「要介護認定」という。)を受けなければならない。
2 予防給付を受けようとする被保険者は、要支援者に該当すること及びその該当する要支援状態区分について、市町村の認定(以下「要支援認定」という。)を受けなければならない。
(要介護認定)
第二十七条 要介護認定を受けようとする被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、申請書に被保険者証を添付して市町村に申請をしなければならない。この場合において、当該被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、第四十六条第一項に規定する指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設若しくは介護保険施設であって厚生労働省令で定めるもの又は第百十五条の三十九第一項に規定する地域包括支援センターに、当該申請に関する手続を代わって行わせることができる。
2 「身体障害者手帳」
身体障害について、認定基準に従って認定された障害程度にしたがって交付される手帳です。
根拠は身体障害者福祉法で、手帳の交付対象となる障害の範囲は身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号によって、1級(最重度)~6級まで分けられています。
(要介護認定と逆なので注意。)
※根拠:身体障害者福祉法
(身体障害者手帳)
第十五条 身体に障害のある者は、都道府県知事の定める医師の診断書を添えて、その居住地(居住地を有しないときは、その現在地)の都道府県知事に身体障害者手帳の交付を申請することができる。ただし、本人が十五歳に満たないときは、その保護者(親権を行う者及び後見人をいう。ただし、児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第一項第三号 又は第二十七条の二 の規定により里親に委託され、又は児童福祉施設に入所した児童については、当該里親又は児童福祉施設の長とする。以下同じ。)が代わつて申請するものとする。
(2,3項は略)
4 都道府県知事は、第一項の申請に基いて審査し、その障害が別表に掲げるものに該当すると認めたときは、申請者に身体障害者手帳を交付しなければならない。
3 「療育手帳」(東京都は「愛の手帳」)
知的障害がある場合は、「療育手帳」が公布されます。
この手帳は自治体により呼び方が異なり、東京都では「愛の手帳」と言います。
愛の手帳では、障害の程度は1度(最重度)~4度の区分がなされています。
(これも要介護認定とは逆なので注意。)
参考:
東京都心身障害者福祉センター(東京都福祉保健局)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shinsho/a_techou/index.html
同(愛の手帳Q&A)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shinsho/faq/techo_qa/qa/index.html
※もともとの根拠は「療育手帳制度について」(昭和48年9月27日付厚生省発児156号)でしたが、現在は各地方自治体の独自施策(東京都の場合は「愛の手帳交付要綱」による)になっています(法的根拠については、ブログ「自治体法務の備忘録」に面白い記事がありました→ http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20080529/p1)。
4 「精神障害者保健福祉手帳」
精神障害のため長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方には、「精神障害者保健福祉手帳」が公布されます。
障害等級は1級(最重度)~3級に分けられています。
参考:
東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shougai/nichijo/s_techou/index.html
※根拠:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
(精神障害者保健福祉手帳)
第四十五条 精神障害者(知的障害者を除く。以下この章及び次章において同じ。)は、厚生労働省令で定める書類を添えて、その居住地(居住地を有しないときは、その現在地)の都道府県知事に精神障害者保健福祉手帳の交付を申請することができる。
2 都道府県知事は、前項の申請に基づいて審査し、申請者が政令で定める精神障害の状態にあると認めたときは、申請者に精神障害者保健福祉手帳を交付しなければならない。
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今年度の「公示地価」が、3月24日に公表されました。
(以下アサヒドットコム2008年3月24日より一部引用)
公示地価、全国平均は2年連続上昇 住宅地・商業地とも
http://www.asahi.com/business/update/0324/TKY200803240307.html
国土交通省が24日公表した08年の公示地価(08年1月1日時点)は住宅地と商業地の全国平均がともに2年連続で上昇し、上げ幅は前年より拡大。東京・銀座でバブル期の91年に記録した過去最高価格を塗り替えた。ただ、東京、大阪、名古屋の3大都市圏では昨年後半に伸びが鈍った地点が目立ち、マンション販売も不振に陥った。米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題の影響で、投資マネーの勢いは衰えつつある。
公示地価はバブル経済崩壊後、下落を続けてきたが、07年に住宅地と商業地の全国平均が16年ぶりに上昇。今年も住宅地は前年比1.3%(07年は0.1%)、商業地は3.8%(同2.3%)と、それぞれ伸びた。
3大都市圏では平均で商業地が10.4%(同8.9%)、住宅地は4.3%(同2.8%)の伸び。それぞれ3年連続、2年連続の上昇で、上昇幅も拡大した。
最高価格地点は2年連続で東京・銀座の「山野楽器銀座本店」。前年比27.5%増の1平方メートルあたり3900万円で、91年に銀座と新宿で記録した過去最高価格(3850万円)を抜いた。
(以下略、以上引用終わり)
さて、
上記記事では「公示地価」という言葉が出てきています。
この言葉は1年に1回、この時期には、必ず大きく報道されます。
地価、すなわち土地の値段には、
①いわゆる時価(実勢価格)
②公示価格(公示地価)
③路線価
④固定資産税評価額
の4通りがあります。
①は、実際に取引されるときに個別の土地につく値段なので、わかりやすいですね。
では、それ以外はどんなものなのでしょうか。
弁護士実務でもひんぱんに出てくる用語なので、理解しておく必要があります。
そこで、この機会に、ちょっと整理してみました。
<公示価格>
②は、地価公示法2条1項に基づき、国土交通省が、毎年1月1日現在の宅地標準地について土地の価格を鑑定し、3月下旬に公表する鑑定結果(正常価格)のことで、民間取引(上記①など)の指標とされ、公共収用の基準となります。
なお、これを補完するものとして、国土利用計画法施行令9条1項に基づき、都道府県知事が公表する「基準地価」もあります(=国土利用計画法に基づき、都道府県知事が毎年7月1日現在の宅地基準地について10月1日付けで公表する標準価格)。
なおここでいう「正常価格」とは、土地について自由な取引が行われた場合にその土地に通常成立すると認められる価格のことを言いますが、実際には個別の取引にはさまざまな要素が絡み、高くなったり低くなったりするので、単純に①=②とはなりません。
※参考:平成20年度地価公示
http://tochi.mlit.go.jp/chika/
※参考:国土交通省「土地総合情報ライブラリー」
「ここがポイント地価公示」
http://tochi.mlit.go.jp/tocchi/chikakouji/
<路線価>
③は、相続税法22条に基づき国税庁が定める土地の評価額で、相続税・贈与税の算定基準となるものです。
毎年1月1日を評価時点として定め、8月に公表され、だいたい公示価格の8割、といわれます。
価格の決め方ですが、「路線価」方式では、市街地について、道路(路線)に値段をつけています(その道路に接している土地は1㎡あたりいくら、というようなもの)。この値段は国税庁の以下のサイトで公表されています。
※参考:財産評価基準書「路線価図・評価倍率表」
http://www.rosenka.nta.go.jp/
なお、「路線価」は、全国のすべての土地につけられているわけではありません。路線価がついていない場合には、その土地についている固定資産税評価額(④で説明します)に国税局長が所定の倍率をかけた金額を相続税等の課税基準とする「倍率方式」がとられています(この倍率も、上記サイトの「評価倍率表」にのっています)。
ところで上記の路線価図には、各地域の「借地権割合」ものっています。これは、その土地を借地としている場合に、その借地権はその土地の何割の価値を有するか、の基準を定めているものです。
※参考:国税庁「法令解釈通達・財産評価」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/01.htm
<固定資産税評価額>
④は、市町村の税務課(東京都23区では都税事務所)にある固定資産課税台帳に登録してある土地や建物の評価額(地方税法381条)で、総務大臣が定めた「固定資産評価基準」に基づき、3年に1回(=「評価替え」)、市町村長が定めます。
固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税額の基準になるほか、上記③で説明したように、相続税・贈与税計算の基準になるときもあります(倍率方式の場合)。
だいたい公示価格の7割、といわれます。
※参考:財団法人資産評価システム研究センター
http://www.recpas.or.jp/index.html
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「実録!熱血ケースワーカー物語」(碇井伸吾著・講談社)という本を見つけて、買って、読みました。
ある市役所の生活保護の現場で働くケースワーカーのノンフィクションです。かなり脚色があるようにも思いますが、読み物としても面白かったです。
ちなみに「ケースワーカー」とは、市役所など地方自治体の福祉事務所にいる、生活保護担当の職員さんのことです。
街中で弁護士をしていると、生活保護の知識は必須です。しかし私が弁護士になったころは、このような、現場がリアルにイメージできるような本は、あまりありませんでした。上に書いた「ケースワーカー」という仕事の内容を調べるのにも、結構苦労したような気がします。
そのときにはなかったこのような本が書店に並ぶのも、今の時代の反映かもしれません。
いずれにせよ、新人弁護士さんや司法修習生などで、このような現場に関心がある方は、読んでみてはいかがでしょうか。福祉事務所・生活保護の現場のイメージがつかめ、かなり参考になると思います。
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今日は、弁護士の債務整理実務において、とくに貸金業者について調査する際に使う各種HPを紹介します。
関東財務局
http://www.mof-kantou.go.jp/
金融庁HP内「免許・許可・登録を受けている業者一覧」
http://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html
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実務に役立つHPシリーズ(・・・勝手に続いています)。
今日は、
「暴力団ミニ講座」
http://www.web-sanin.co.jp/gov/boutsui/mini00.htm
なかなか面白いです。
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