2009年3月14日 (土)

栃木リンチ殺人事件・最高裁上告棄却のニュース

「栃木リンチ殺人事件」に関する、遺族から県への賠償請求につき、上告が棄却されたそうです。

このような裁判を起こさざるを得なかった遺族の気持ちを思うと、個人的には、いろいろと思うところがあります。きっと、お金の問題ではないはずです。今日のこのニュースの意味を、全国の警察の現場では、きちんと受け止めてくれたのでしょうか?

(以下毎日jp2009年3月14日より引用)
栃木・上三川町のリンチ殺人:県警への賠償命令が確定--捜査ミス
http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2009/03/14/20090314ddm041040147000c.html
 栃木県上三川(かみのかわ)町の会社員、須藤正和さん(当時19歳)が99年に少年グループのリンチで殺害された事件を巡り、県警が捜査を怠ったとして遺族が県などに賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は13日、遺族の上告を棄却する決定を出した。県に1100万円の賠償を命じた2審・東京高裁判決(07年3月)が確定した。
 須藤さんは99年9月から加害者に連れ回されてリンチを受け、12月2日に殺害された。1審・宇都宮地裁は06年4月、捜査ミスと死亡の因果関係を認め、県に約9600万円の支払いを命じた。
 これに対し2審は、「殺害を阻止できたとまでは認められず、救えた可能性は3割程度」として、賠償額を大きく減額していた。
(以上引用終わり)

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2009年1月24日 (土)

「被害者参加制度」初公判

改正刑事訴訟法に基づく「被害者参加」による初公判が2件、行われました(各罪名は自動車運転過失致死、傷害だそうです)。

(以下東京新聞2009年1月24日より一部引用)
被害者参加 初の公判 東京地裁 被告に質問、量刑へ意見
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009012402000129.html
 刑事裁判に被害者や遺族が参加する新しい制度に基づいて、交通死亡事故など二つの公判が二十三日、東京地裁で開かれた。被害者側の救済策の一つで昨年十二月一日に施行された。実際に被害者側が参加したのは初めてとみられる。 
(以上引用終わり)

なお一方の事件では、被害者参加人には代理人弁護士はついていないようです。
また、いずれも判決は次回公判のようです。

制度を導入した以上、今日限りの関心ではなく、判決後の被害者・遺族の心情や公判終了から期間を置いたときの心情なども、きちんとフォローしていく必要があると思っています。

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2008年10月21日 (火)

少年審判被害者傍聴制度、12月15日施行

以下の報道によると、少年法改正による被害者傍聴制度は12月15日施行(同日以降の審判に適用)のようです。

(以下アサヒドットコム2008年10月21日より一部引用)
少年審判の被害者傍聴、12月15日スタート
http://www.asahi.com/national/update/1020/TKY200810200415.html
 殺人など重大事件の少年審判に被害者や遺族の傍聴を認める改正少年法について、法務省は12月15日から施行する方針を決めた。28日の閣議で正式決定する見通し。
 傍聴は、施行日以降に開かれる審判が対象となる。
(中略)一方、少年審判とは別に通常の刑事裁判では、被害者が法廷で被告に直接質問したり、求刑の意見を述べたりできる「被害者参加制度」が12月1日に施行される。
(以上引用終わり)

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2008年8月24日 (日)

被害者参加制度等は12月1日施行

以下の報道によると、「被害者参加制度」等は、12月1日以降に起訴された事件から開始のようです。

(以下読売オンライン2008年8月21日より引用)
刑事裁判への被害者参加制度、12月施行の方針
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080820-OYT1T00901.htm
 法務省は20日、刑事裁判で犯罪被害者・遺族が被告人質問などを行える「被害者参加制度」を12月1日に施行する方針を固めた。
 同日以降に起訴された殺人などの重大事件に適用する。近く閣議で正式決定される見込み。
 同制度では、被害者が審理に出席して検察官の横に座り、被告人質問をしたり、求刑の意見を述べたりできる。また、刑事裁判を担当した裁判官が被害者の賠償請求に関する決定を出せる制度も、12月1日に施行される。
(以上引用終わり)

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2008年5月30日 (金)

少年審判の被害者傍聴について

少年審判の被害者傍聴に関する少年法改正が、与党案に修正を加え、成立の見込みだそうです。
修正は、①傍聴は12歳以上少年の事件につき認める、②具体的事件の傍聴の可否については、弁護士付添人の意見を聞いて決定する、というもののようです。

(以下毎日jp2008年5月29日より引用)
少年法改正:改正案、成立の見通し 修正で民主と一致
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2008/05/29/20080529ddm012010096000c.html
 犯罪被害者や遺族に原則非公開の少年審判の傍聴を認める少年法改正案について、与党と民主党は28日、「12歳未満の少年の審判は傍聴を認めない」などを柱とする修正案をまとめ、改正案が可決・成立する見通しとなった。
 政府原案は、他人を死傷させた重大事件の審判で、家裁が少年の年齢などを考慮した上で被害者らの傍聴を認める内容。修正案はさらに(1)家裁は傍聴を認めようとする場合、(加害少年の)弁護士(付添人)の意見を聞く(2)14歳未満の「触法少年」のうち12歳未満のケースは傍聴は認めず、12、13歳の場合は特別な配慮をする--などを盛り込んだ。
(以上引用終わり)

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2008年5月29日 (木)

被害者参加:模擬裁判(千葉地裁)

被害者参加制度を取り入れた初めての裁判員模擬裁判が,千葉地方裁判所で行われたそうです。以下の記事には,法廷の様子も写真で出ており,参考になります。

東京地裁でも,7月から模擬裁判が始まると聞いています。制度の施行時期はまだはっきりしませんが,少なくとも準備の時間的な猶予はほとんどありません。制度の周知と並行して,このような模擬裁判を各地で積極的に行っていく必要があります。

(以下読売オンライン2008年5月28日より一部引用)
被害者参加の模擬裁判 裁判員役「流されないよう聞いた」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20080527-OYT8T00720.htm
 刑事裁判で、犯罪被害者やその遺族に被告人質問や求刑に対する意見陳述を認める「被害者参加制度」を取り入れた模擬裁判が、26、27の両日、千葉市中央区の千葉地裁で行われた。
 (中略)民間企業などが提出した名簿から選出された6人が裁判員役、司法修習生や地裁職員が遺族役や証人役となり、現役裁判官や検事、弁護士と共に審理に臨んだ。
 事件は、飲酒運転常習者の49歳の男が、発泡酒と日本酒計約2リットルを飲んだ直後に車を運転、居眠りの末に対向車線にはみ出して正面衝突した57歳の男性を死亡させたという想定。
 2日間かけて行われた審理では、「被害男性の妻」役が検事の隣に着席。裁判員たちは、妻が弁護士を通じて被告人に質問をしたり、夫を亡くした心情を涙ながらに話したりする様子を真剣な表情で見つめていた。
 妻は弁護士を通じて最終意見を述べ、検察側の求刑(懲役6年)を大幅に上回る懲役20年が相当と訴えたが、言い渡された判決は懲役6年だった。
 裁判員役を務めた四街道市の会社役員男性(49)は、「感情に流されないよう注意して聞いた。3人の子がいるので、もし、子どものことを訴えられたら、つい被害者寄りに考えてしまうかもしれない」と話していた。
(以上引用終わり)

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2008年5月10日 (土)

「被害者参加制度」の模擬裁判

刑事裁判における「被害者参加制度」導入につき、模擬裁判の実施が決まったようです。

私は前にブログでも書いたように、「今回の制度設計での」参加制度には賛成ではありませんでした。ただ、導入が決まった以上、失敗は許されません。このような模擬裁判を行いまた弁護士会でも弁護士向けの研修(それも、単に技術的な研修でなく、二次被害を防ぎ、真に被害者支援につながるような研修)を実施するなど、急ぎ、最善の準備をしなければいけないと思います(正直な印象として、今の段階では、準備は法曹三者ともに相当に立ち遅れているとの印象です)。

(毎日新聞2008年4月29日より一部引用)
<裁判員制度>被害者参加の模擬実施へ 最高裁が課題検証
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080429-00000012-mai-soci
 重大事件の刑事裁判に国民が参加する裁判員制度に向け、最高裁は、今年末までに始まる「被害者参加制度」を取り入れた模擬裁判を始めることを決めた。
 (略)被害者参加制度は、「刑事裁判で蚊帳の外に置かれてきた」との被害者の声を受け導入が決まった。来年5月開始の裁判員制度と同様、殺人など重大事件が対象で、検察官の隣に座った被害者・遺族が被告や情状証人に直接質問でき、量刑に関する意見も述べられる。
 (略)模擬裁判では、飲酒して正常な運転が困難な状態でハンドルを握った男性被告が、居眠りして対向車に衝突し運転手を死なせたとして、危険運転致死罪に問われた事件を取り上げる。実在の事件をもとに作成したシナリオで、被告は罪を認めており量刑判断がテーマ。被害者の支援活動をしている弁護士らに遺族役として模擬裁判に参加してもらい▽遺族の強い姿勢の質問に影響されないか▽量刑に関する意見を、どの程度まで反映させるか▽量刑判断にばらつきはでるのかなどを検証する方針。
 模擬裁判は千葉地裁が5月下旬に実施し、前橋地裁が6月、東京地裁が7月に行う予定で、ほかの地裁もそれ以降、順次実施していく。 
(以上引用終わり)

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2008年5月 7日 (水)

「ここにいること 地下鉄サリン事件の遺族として」(高橋シズエ著・岩波書店)

地下鉄サリン事件遺族である高橋シズエさん著の「ここにいること 地下鉄サリン事件の遺族として」(岩波書店)が、出版されています。

何と紹介していいものかうまく言葉にならないのですが、「犯罪被害」「被害者」「支援」「被害者像」「刑事裁判」「刑事弁護」「死刑」「謝罪」「更生」、そして「家族」「親」「子」「夫婦」「ひとがここにいること」など、さまざまに突きつけられる本です。とくに刑事裁判にかかわる人間にとっては、立場の違いにかかわらず読まなければならない一冊だと思うので、この場を借りて紹介させていただきます。

高橋シズエさんのブログ
「高橋シズエの喜怒哀楽」より
http://blogs.yahoo.co.jp/whitecat12browncat12/22549042.html

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2008年3月 7日 (金)

犯罪被害者に関するある報道を読んで

ネットで、以下の報道を目にしました。

ご遺族からすれば、被告人がどう法廷でどう釈明しようと、結果は同じです。被害者は「殺された」のです。
今後導入される被害者参加制度のありかたとは別に、刑法上の「責任」とは何か、刑事手続きとは何か、その認識をどう社会で共有していくか、被害者・遺族をそのことに向き合わせることができるのか・向き合わせるべきなのか・向き合わせてよいのか・向き合うとしてもいつどのように向き合うべきなのか、という、きわめて難しい問題が、この報道の根底にあると思います。

(2008年3月4日産経新聞より一部引用)
法廷で被害者親族が被告少年に“まわしげり” 大阪地裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080304-00000969-san-soci
 大阪市旭区の淀川河川敷で昨年2月、(被害者氏名略)=当時(16)=が暴行を受けて殺害された事件で、殺人罪に問われた主犯格の少年(17)の公判が4日、大阪地裁(中川博之裁判長)で開かれ、閉廷後に(被害者氏名略)さんの親類の男性が、被告人席に座っていた少年の後頭部を傍聴席からさく越しにけるトラブルがあった。少年にけがはなかった。
 地裁によると、男性はこの日、(被害者氏名略)さんの母親ら数人と一緒に公判を傍聴。少年は一貫して殺意を否認しており、審理中、男性と同席していた親類の女性が少年に向かって「殺しとるやないけ」などと大声を上げ、中川裁判長から注意される場面があった。男性は閉廷後、罵声(ばせい)を浴びせながら少年をけり、他の傍聴人らから制止されたという。
(以下略、以上引用終わり)

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2008年1月27日 (日)

被害者国選「付添人」制度導入へ

以下のとおり、被害者国選付添人(代理人)制度は、導入がほぼ決まりました。制度としては必須のものだと思います。もっとも、できれば資力要件(被疑者国選弁護人制度と同じ「預貯金50万円未満」が国選選任の要件だと聞いています)を、被害者としての立場に鑑みて、もうすこし緩くしてほしいと思いますが。

なおこの件の報道では被害者「弁護人」制度、と報道されているものが多いようですが、これは用語として完全に誤りですし、間違いの質としてもひどいと感じます。

このように書く記者は、被害者と被告人(につくの「弁護人」)を勝ち負けの対立関係に想定しているのかもしれません。しかし仮にそのように考えるとすると、この「被害者参加制度」は、まさに当初危惧された方向に行ってしまうでしょう。
さまざまな過程を経て生まれる制度ですし、各事件の当事者のことを考えれば失敗は絶対に許されないのですから、もう少し慎重な報道をしてほしいと思います。

(共同通信2008年1月18日より引用)
弁護士費用は返還求めず 被害者支援で法務省原案
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/nation/CO2008011801000268.html?C=S
 刑事裁判への被害者参加制度をめぐり法務省は18日、公費で選任される弁護士費用の返還を被害者側に求めないことなどを盛り込んだ原案をまとめ、自民党司法制度調査会などで了承された。今後調整を経て、総合法律支援法などの改正案を通常国会に提出する。被害者参加制度は、被害者らが一定の制限付きで、被告人質問や意見陳述などをすることができる。年末までに改正刑事訴訟法が施行、実施される。

(産経WEB2008年1月19日より引用)
被害者国選弁護 費用返還求めず 法務省案を自民了承
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20080119033.html?C=S
 刑事裁判に犯罪被害者らが参加する「被害者参加制度」をめぐり、法務省は18日、公費で選任される弁護士費用については原則、被害者側に返還を求めないなどとする原案を自民党司法制度調査会などの合同会議に示し、了承された。同省は総合法律支援法などの改正案を通常国会に提出する方針。

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2007年12月 2日 (日)

少年法改正(被害者傍聴)、法制審諮問

少年事件被害者の少年審判傍聴に関する少年法改正が、法制審に諮問されました。
なお、「質問権」導入は含まれていないようです。

(以下アサヒドットコム2007年11月29日より一部引用)
少年審判、被害者・遺族の傍聴可能に…法相が法改正を諮問
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071129it12.htm
 鳩山法相は29日、刑事事件の少年審判で被害者や遺族の傍聴を認めることを柱とした少年法改正を、法制審議会(法相の諮問機関)に諮問した。
 法務省は来春にも答申を受け、次期通常国会に法案を提出したい考え。
(中略) 諮問によると、新たな傍聴制度の対象は、殺人など故意の犯罪行為で被害者を死傷させた事件と、交通事故などの業務上過失致死傷事件。被害者や遺族が傍聴を希望すれば、家裁が少年の年齢や心身の状態などを考慮したうえで、傍聴を許可するとしている。少年のプライバシー保護に配慮し、傍聴で知り得た少年の氏名などの個人情報を外部に漏らすことは禁じる。
 一部の被害者団体は、傍聴だけでなく、被害者が少年に審判廷で質問する権利も認めるよう求めていたが、同省は「少年審判は事件から間もない時期に実施されるため、少年と被害者の間で感情的な応酬が行われる恐れがある」として、質問権の導入を見送った。
(以下略、以上引用終わり)

被害者を「事件当事者」として扱うことには賛成なのですが、それは必ずしも「審判当事者」として扱うこととイコールではないと思います(私見ですが、議論するうえで、この二つは区別した方がいいように思います。)。また現在の議論状況を見ていると、、被害者傍聴・質問権の法的理論づけの議論だけでなく、少年の非行心理・発達心理・供述心理についての議論と研究が、被害者支援側からも、今まで以上になされる必要があると感じます。そして、そのような十分な準備の上で、どのような手続きに関与するか・当事者として参加するか、を考えるべきではないでしょうか。

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2007年11月29日 (木)

犯罪被害者週間

今週は、「犯罪被害者週間」(http://www8.cao.go.jp/hanzai/kou-kei/index.html)です。

さて、さきほど自宅で読んだ毎日新聞夕刊に、このブログでも何度か取り上げさせていただいている片山徒有さんの、インタビューが載っていました。

(以下毎日JP2007年11月28日より一部引用)
片山隼君死亡事故:発生10年 悲劇で終わらせない--父・徒有さん
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071128dde041040058000c.html
東京都世田谷区で97年11月、登校途中の小学2年生、片山隼(しゅん)君(当時8歳)がダンプカーにひかれて死亡した事故から、28日で10年を迎えた。父徒有(ただあり)さん(51)は事故後、「悲しい話を、悲しかったで終わらせてはいけない」と、犯罪被害者支援や司法制度改革を求める市民運動に精力的に取り組んでいる。10年を機に、改めて隼君への思いや被害者問題について聞いた。
(以下略)

常々思っているのですが、
片山さんと異なる意見をお持ちの方も片山さんに対して安易な・心中に土足で踏み込むような批判はしていただきたくないですし、
片山さんの意見をとくに自分たちの側で「被害者でこう言っている人もいる」と取り上げる「被害者参加」反対の側の方々も、取り上げる以上は、安直に飛びついて取り上げるのではなく、被害者問題について責任感を持ちきちんと勉強をしていただきたいと思います。

なお、片山さんが代表を務められる「被害者と司法を考える会」のHP、ブログはこちらです。
http://victimandlaw.org/
http://blog.victimandlaw.org/

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2007年10月14日 (日)

ある事件「引っ越しを求める調停」

以前に私が扱ったある被害者代理人事件と、それを通じて被害者代理人業務について感じた事を、今日は書いてみます(ただし以下に書く事件内容は、実際に起きたものとは変えている部分がありますので、その点ご了承ください。)。

ある交通事故(業務上過失致死)被害者遺族の方が、以前私の所に相談に来られました。

その方は以前、交通事故で最愛の家族を失い、突然の不幸に何をどうしていいかわからないまま、知り合いに「交通事故専門の」弁護士を紹介してもらい、流れのままにその人に賠償請求(民事事件)や被害者意見陳述(刑事事件)等の依頼をしていました。

その遺族が当初より望んでいたのは、けっして多額の賠償金ではなく、
加害者に、引っ越しをしてほしい
という一点でした。
加害者と被害者遺族が、同じ町に住んでいたからです。
遺族としては、この点は絶対に譲れなかったのです。

遺族は、依頼した弁護士にその希望を再三伝えたそうですが、「そんなのは(法律上)無理だ」と、聞く耳を持ってもらえなかったそうです。そしてその弁護士は定型的な示談を加害者保険会社と締結し、それなりの金額の報酬を得て、業務終了となりました。

遺族は賠償金は得たものの、加害者が引っ越しをせず暮らしているという状況に、やはり耐えられませんでした。そして、賠償金は返してもいい、だからこの状況だけは何とかならないか、このままでは自分たちはいつまでも苦しみ続けることになる、と、相談にみえられました。
そのときの遺族の心境は、わずかの可能性を探して、わらをもすがる思いではなかったか、と推察しています。

さて、資料を見せていただいたところ、加害者保険会社とこちらの弁護士が作成した示談書(=和解書)には、和解に通常見られる定型的文言として、「清算条項」すなわち、「本和解を持って両当事者間には一切の債権債務関係がないことを確認する」との文言が入っていました。すなわち、それを形式的に読めば、賠償として保険金を受け取った以上、もはや加害者に対しては何も請求できない、と判断される可能性が、極めて高いものでした。

しかし私たちはあえて裁判所に「引っ越しを求める調停申し立て」を行いました。
そのような請求の法的強制力には上記の疑問があることは、もちろん承知の上です。ただ、「清算条項の法的拘束力」という法的な問題とは別に、そのような思いを持たれている遺族がいて、その声を弁護士にも訴えていたのに、弁護士がそれに応えないままにこの事件を終わらせてしまってはいけないと感じました。

もちろん調停は難航が予想されましたが、予想に反して、一回で調停が成立しました。加害者は、引っ越しをすることを、約束してくれました。
やはり、遺族の悲痛な思いが加害者側にも伝わったのではないかと思います(それまでは、そのような気持ちを伝える努力すら、こちらの弁護士によって、なされていなかったのではないでしょうか)。そして、裁判所調停委員も、調停成立に向けて相当に尽力して下さったのではないでしょうか。

このような事件の経験から感じたことですが、

私は、遺族に先についていた弁護士のような業務のやり方、弁護士的「常識」のもとで「引っ越しなんて無理だよ」と交渉もしないようなやりかたは、弁護士活動の在り方として大事なものを見失っているのではないかと思います。
被害者代理人活動は、賠償金を得ること(そしてそれにより多額の報酬を得ること)だけが目的ではないはずです。むしろ、そうあってはいけません。むしろそれよりも大切なもの・大切な思いを感じることが、もっとも大事なことのはずなのです。

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2007年8月24日 (金)

公費による被害者代理人制度実現?

以下の報道によると、ようやく公費による被害者代理人制度ができそうです。詳細がわからないので軽々な評価はまだ控えたいと思いますが、とりあえず情報として紹介します。

(以下東京新聞2007年8月2日より一部引用)

犯罪被害者に公費で弁護士 来年度から、法務省方針
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007082201001020.html
 犯罪被害者や遺族らが刑事裁判に参加し、被告に質問したり量刑意見を述べたりする「被害者参加制度」で、法務省は22日、被害者らに公費で弁護士を選任する制度の導入を決めた。
 来年度予算の概算要求に関連経費を盛り込み、来年末までの改正刑事訴訟法施行に合わせて実施する方針。弁護士は検察官との「橋渡し役」を担う。
(中略)選任された弁護士は被告人質問や証人尋問を代行するほか、被害者らの心理的負担を軽減するため、検察官とのやりとりを仲介する。
(以上引用終わり)

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2007年6月15日 (金)

犯罪被害者給付制度・引上げ提案など

犯罪被害者「基本計画推進専門委員等会議」が、被害者や遺族への犯罪被害者給付金の給付最高額を自動車損害賠償責任(いわゆる「自賠責」)保険の支払限度額(死亡3000万円、重度後遺障害4000万円)並みに引き上げるべき(最低額も引き上げるべき)とする中間報告案をまとめたそうです(なお、現行の犯罪被害給付制度では、遺族への給付限度額が約1573万円、本人に障害が残った場合は最大で約1849万円が支払われるのみです。)。
また、報告書中で、刑事裁判に参加する被害者をサポートする公的弁護人制度導入の検討も要請しているようです。

(西日本新聞2007年6月12日)
犯罪被害給付金 自賠責並み引き上げを 最高4000万円 専門委が中間報告案
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/20070612/20070612_012.shtml

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2007年6月 4日 (月)

被害者参加法案・衆院通過

以前よりこのブログでも紹介してきた「被害者参加制度」等につき、法案が衆議院を通過しました。
いくつかの付帯決議がついたようです。

私は、最終的には被害者「参加」は何らかの形で認めるべきと思っていますが(単純な反対論にはくみしません。)、今回の法案は、あくまでも検察官に都合のいい制度としか思えません。被害者問題はこのようにして前進を勝ち取ってきたという意味での「政策的賛成」という方の意見は理解できるのですが、今回の法案そのものについては、議論状況を見ていると、今でも私はこのままでは賛成できません。

誤解のないように言いますが(これをわざわざ言わないといけないのが、この問題について発言する際の現状だと思います。)、私は、今の刑事裁判は、とくに被害者にとって、より主体的にかかわれるように改善されるべき(その意味であえて「関与」ではなく「参加」と言っています。)という意見です。

ただ、参加制度を作るのであれば、最低限、被害者の国費代理人制度(これは前向きに検討されているようですが)、検察官や警察官に被害者心理を理解する監視的アドバイザーをつける(検察官・検察事務官・警察官の被害者対応は、現状では理解の有無によって、大きな格差があります。無神経な対応の例も、多く見られます。また被害者感情を単に利用しているとしか見られない検察官・警察官も、残念ながらいるのが現状です。)などの手当も同時にしたうえで、検察官の意向に左右されないで(検察官・警察官の影響力を排除して)、しかも十分な法的心理的バックアップを受けて(事件直後の被害者に刑事裁判の知識はほとんどないことについて、被害者をいたずらにあおるばかりではない適切なアドバイザーが、絶対に必要です。)、独立の立場で、十分な状況理解とともに参加できる体制を作るべきだと思います。そのような点をきちんと議論し手当をしておかないと、現場での運用が始まった後にさまざまな看過できない問題を生むと思います。

また、そもそもこの制度を的確に運用していくためには裁判所の職権を非常に重視した法廷運用が必須になると思いますが(諸外国の参加制度を見ても、その傾向は強いように思います。「刑事裁判の構造が日本は違う」という意見は、本来はここの部分を指して意見をしているのだろうと思います。)、そもそも刑事弁護人だけでなく裁判所への不信から出発した感もあるこの問題で、裁判所の「適正な」職権発動・法廷運用は、どの程度確保されているのでしょうか(裁判官を信用してよいのでしょうか)。そして仮に職権を強める方向で刑事裁判の構造を変えるのであれば、(確かに参加制度導入はそれぞれの被害者にとっては一刻を争う問題なのですが、)この裁判員制度導入・法曹大増員と同じタイミングで実施することも、適切なのでしょうか。同時に実施するのであれば、どのように制度的担保をするのでしょうか。そのような観点などでも議論は十分とは思えず、検討する必要のある範囲は極めて広いように思いますし、法務省筋だけではなく、まさに「刑事弁護」をよく知っている弁護士こそが、この議論に参加すべき・参加を許容すべき(参加自体はしているのですが、もっと実質的な議論として)状況だったと思います。

そして、今の状況、すなわち刑事弁護について強い逆風が生じ(これまでの刑事弁護人のすべてがよいとは、私も言いませんが)、たとえば無罪推定原則が刑事裁判で採用されてきた意味、刑事弁護制度が必要である意味、今の諸制度で刑事弁護人が置かれている状況などが、残念ながら十分に理解されているとは思えない、またはそれについての議論が放置されている状況下では、今回の問題を議論をするに必要な基盤が確保できてはいないように思います。なのに、今回の問題がこのように一気に決まってしまってよいのでしょうか。

最後に、これが一番言いたいことでもあるのですが、
もちろん、反対論者にはまともな議論をしていない、議論がかみ合っていない「刑事裁判ドグマ」的論者(被害者問題と真剣にむきあってもいないのに)がいるのも事実ですが、単に「今回の被害者参加法案に反対している」という一事だけで「わかっていない」「不勉強」と「守旧派」的ラベリングをされ非難されてしまう(・・・そして、「守旧派」は「守旧派」の身内だけで固まっていく)今の風潮、お互いを非難・無視するような雰囲気だけは、改善すべきではないでしょうか。とくに、私も属している、弁護士会の中では。

(以下アサヒドットコム2007年6月1日より一部引用)
犯罪被害者の訴訟参加制度創設の法案、衆院本会議で可決
http://www.asahi.com/national/update/0601/TKY200706010316.html
 犯罪被害者が刑事裁判に参加できる制度を創設するための関連法案は1日午後、衆院本会議で可決され、参院に送られた。採決に先立つ衆院法務委では与党が修正案を提出。裁判員制度の影響を見極めるために、施行3年後に見直しを検討することと、被害者に弁護士が付く場合の資金援助制度をつくる努力をすることを付則に盛り込んだ。 関連法案は今国会で成立し、08年中にも実施される見通し。
(以上引用終わり)

参考:
衆議院提出時法律案(衆議院HP)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm

衆議院法務委員会議事録第19号(2007年5月23日)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm

法制審議会刑事法(犯罪被害者)部会議事録(平成18年10月3日~平成19年1月30日)
http://www.moj.go.jp/SHINGI/index.html

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2007年5月28日 (月)

光市事件・広島高裁(差戻審開始)

やはり、この事件を避けては通れないと思います。
ただ、今回の公判の感想も、到底ここに書き切れるものではありません。
胸元に突き付けられているものがあまりに多すぎますが、それをすべて正面から受け止めていかなければならないのが、刑事裁判という場所・弁護士(刑事弁護人)という仕事なのだと思います。

「怒り通り過ぎ失笑」 本村さん会見
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200705250069.html

光市の母子殺害、検察再び「極刑」主張…差し戻し控訴審
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070524-00000115-yom-soci

光母子殺害事件/差し戻し審始まる
http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000705250004

光市母子殺害 差し戻し審初公判 意見書要旨
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070525-00000011-san-soci

Wikipedia「光市母子殺害事件」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E5%B8%82%E6%AF%8D%E5%AD%90%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6

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2007年5月 8日 (火)

修復的司法の可能性

犯罪被害者問題に関連して、よく言われる概念に「修復的司法」というものがあります。

ひとくちに「修復的司法」といってもさまざまな理解があるのですが、よく利用される定義としては「修復的司法とは、ある特定の犯罪に何らかの関係を持つ当事者すべてが一同に会し、その当該犯罪の事後をどう扱うか、またその未来に向けたインプリケーションについて一緒に解決する手続である」というものなどがあります。
すなわち、この定義によると、「被害者・加害者」、または「被害者・社会」間の関係を未来に向けて修復する、というニュアンスが強くなります。

このような「修復的司法」について考えてみたいと思いますが(この概念が出てきた経緯については、後述の高橋教授の論考や参考に掲げたURLなどをご参照下さい。なお、多数の論文、著作なども刊行されています。)、
たとえば今、自分の目の前で眠っている幼い息子が殺されたとしたら、私はその加害者との関係を「修復」する、ということを考えることができるでしょうか。
・・・この「修復」が「赦す」と同義であれば、それはやはり私には不可能ではないか、と思います(また、人間はそのような部分で無理をせずとも良いのではないか、とも思います。)。

「修復的司法」という言葉が語られるとき、すべての論者ではないにしても、そこに「赦し」とか「癒し」といった言葉が使用されることが多いのが、どうしても気にかかります。主たる効果として被害者にそれらを求めるのであれば、それはやはり幻想的であり、かつ被害に対して傲慢に過ぎるのではないか、と。もっと言えば、当初の「修復的司法」論者が意図していたものとは違う形で利用され始めているのではないか(しかも利用者にも無自覚に)、と。
私自身、ある加害紛争で「修復的司法」を標榜する弁護士が相手方代理人になり、ラウンドテーブルで和解の試みを行ったことがあります。そのときに相手方弁護士は自分の依頼者(被害者)に対し、「(加害者と)手をつなぎなさい」「手を取り合っていこう」と再三言っていました。その代理人に対し、被害者は傍目からみても明らかに、不信感を募らせていました。私の立場から見ても、それらの発言は代理人の自己満足に過ぎず、被害者の心中・痛みに配慮した発言とは思えませんでしたし、実際に事案の解決も遠ざけたように思います。
この代理人のような文脈で「修復的司法」をとらえていくのであれば、そのような意味での「修復的司法」には、現実的解決方法としても、やはり限界があるように思います。

それに対して「修復的司法」を「被害者・加害者の関係」修復という文脈ではなく、「被害者の」損なわれた部分に対する修復(立て直し、とでも言うのでしょうか)という文脈で考えるのであれば、そこには可能性があるように思います。

「修復的司法」研究の第一人者・高橋則夫教授(早稲田大)は「修復的司法の可能性」(WASEDA.COM:http://www.asahi.com/ad/clients/waseda/opinion/opinion116.html)と題する論考で、「修復的司法は、被害者・加害者・地域社会の3者によって犯罪を解決するのが純粋型といえますが、「犯罪によって生じた害を修復することによって司法の実現を目指す一切の活動である」と広く解することができると思います。したがって、被害者の支援、加害者の援助、地域社会の再生なども、修復的司法の考え方に基づくものです。」と語っています。この部分は、私のように考える立場からも注目すべきものと考えます。

参考:「犯罪被害者問題と修復的司法」
http://cl.rikkyo.ne.jp/cl/2005/internet/zenki/gakuin/homu/araki/keijigaku/keijigaku-13.html

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2007年3月29日 (木)

栃木リンチ殺人事件・民事控訴審判決

いわゆる「栃木リンチ殺人事件」民事訴訟の控訴審判決が出ました。
内容は以下の通りです。

(以下2007年3月28日読売新聞より一部引用)
栃木リンチ控訴審、捜査怠慢と殺害の因果関係認めず
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070328i114.htm
 栃木県上三川町の会社員須藤正和さん(当時19歳)が1999年、少年グループにリンチを受けて殺害された事件で、県警捜査の不手際で殺害が防げなかったとして、遺族が県などに計約1億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であった。富越和厚裁判長は、県警の不適切な捜査は認めたが、「(捜査の)過失がなかったとしても殺害を阻止できたとはいえない」として、捜査怠慢と殺害の因果関係を否定。因果関係を認めて県などに約1億1200万円の賠償を命じた1審・宇都宮地裁判決を変更し、県に1100万円の支払いを命じた。
 須藤さんは99年9月末から約2か月、当時19歳だった少年3人(いずれも実刑判決が確定)に連れ回され、暴行を受けて現金約700万円を脅し取られたうえ、同年12月に絞殺された。(中略)判決は、「この捜査依頼の時点で身柄の保護などの検討はできた」とし、「この段階で捜査が行われていれば、殺害前に発見できた可能性も3割程度はあった」と述べ、県警の過失を認めた。判決は、主犯格の少年の両親の監督責任は認めなかった。
 遺族は2001年4月、県、少年3人とそれぞれの親に賠償を求めて提訴。1審は、判決前に和解した被告を除く少年2人と県に計約1億1200万円の支払いを命じた。県の賠償責任は、そのうち約9600万円の限度内とされた。遺族は主犯格の両親に賠償が認められなかったことを不服として控訴、県側も同様に控訴していた。
(以下略、以上引用終わり)

なお被害者須藤正和さんの父親である須藤光男さんが運営されているホームページはこちらです。事件の内容、民事訴訟の経過、そして父親としての思いなどについて、詳しく書かれています。
「栃木リンチ殺人事件 わが子、正和よ」
→ http://park17.wakwak.com/~tochigi-rinchi/

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2007年3月 9日 (金)

刑事裁判への「被害者参加」制度などを、このまま導入して本当によいのだろうか?

先日お伝えした「刑事裁判への被害者参加」につき、以下のような動きも出ています。

(以下毎日インタラクティブ2007年3月8日より一部引用)
犯罪被害者:裁判への参加制度「2次被害の恐れ」 片山隼君の父ら、考える会結成
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070308ddm041040161000c.html
 犯罪被害者が刑事裁判の公判に出席して被告への直接質問などができる被害者参加制度に反対する遺族、学者らが「被害者と司法を考える会」を結成し、7日、制度の見直しを求める要望書を法務省に提出した。「法廷で被害者が被告から攻撃されて2次被害を受ける危険がある。すべての被害者が制度導入を求めているわけではない」と訴えている。
 会を結成したのは、97年に交通事故で息子の隼(しゅん)君を亡くした片山徒有(ただあり)さん(50)ら。被害者参加制度について同会は(1)被害者の負担が大きい上に、法廷で被告から逆に落ち度を追及される恐れがある(2)裁判終了後に被告から報復される危険がある--などと指摘。制度導入よりも前に、公費で被害者に弁護士を付ける仕組みを確立することや、被害者への捜査情報の説明を徹底すべきだと主張している。
 会見した片山さんは「制度ができてしまうと変えるのは難しく、裁判員制度よりも前に、性急に導入すべきではない。法務省は改めて被害者団体からヒアリングを実施してほしい」と話した。(以下略、以上引用終わり)

一言に「被害」といってもいろいろな被害があり、一つとして同じものはありません。
そしておそらく、「被害者」といってもいろいろな方がおられるはずです。
被害者支援制度を策定する際には、その多様な意見を反映し、より「傷つけない」ための制度を作っていかなければならない、と思います。

片山さんは裁判員制度運動にも関わった経験をお持ちの方で、今回の指摘には、その観点からも傾聴すべき問題点を含みます。

そして大事だと思うのは、片山さんなどのグループも、決して本来、被害者参加を積極的に進めるべきという意見の方と、対立するようなものではないはずだ、ということです。今回の行動も、被害者支援の流れを後退させるものでもないはずです。今回の行動の意図・思いを周囲が感じ取り、意味のある前向きな議論を、広く行っていくことが、必要と思います。今こそその議論が必要で、避けては通れないのだと思います。

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2007年2月 4日 (日)

ビデオリンク、民事にも導入?

今日(昨日から)は、集会出席のため、滋賀の大津に来ております。

生まれて初めて琵琶湖を見て、その美しさに感銘を覚えました。

さて、先日刑事手続における被害者参加法制に関する情報提供をしましたが、下記記事の情報提供をしていなかったため、補足的に情報提供させていただきます。

民事手続における被害者保護法制についてです。

(2007年1月26日時事通信より一部引用)

モニター尋問、民事にも導入=犯罪被害者支援で法制審部会

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070126-00000118-jij-pol
1月26日17時2分配信 時事通信
 法制審議会(法相の諮問機関)の民事訴訟法部会は26日、裁判の証人や当事者が法廷から離れた場所でテレビモニターを通じて裁判官の尋問に答える「ビデオリンク」を、民事訴訟にも導入する要綱案をまとめた。犯罪被害者支援の一環で、性犯罪事件の賠償請求などで被害者が加害者と直接顔を合わせる精神的負担を軽くするのが狙い。(中略)法制審は2月の総会で長勢甚遠法相に答申を提出。法務省はこれを受け、通常国会に民事訴訟法改正案を提出する。(以下略、以上引用終わり)

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2007年1月31日 (水)

刑事訴訟への被害者参加・附帯私訴、法制審部会要綱

犯罪被害者保護法制につき、下記のような注目すべき記事が新聞各紙に掲載されています。

これについて意見を述べるのは非常に難しいため、今日は報道の紹介と内容の概説にとどめます。

(以下毎日インタラクティブ2007年1月30日より一部引用)
法制審議会:被害者参加制度と付帯私訴制度導入 部会要綱
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/archive/news/2007/01/30/20070131k0000m040053000c.html
 法制審議会(法相の諮問機関)の刑事法部会は30日、犯罪被害者が刑事裁判の公判に出席して被告への直接質問などができる「被害者参加制度」や、被害者が刑事裁判に併せて被告に損害賠償を請求できる「付帯私訴制度」の導入を柱とする要綱をまとめた。05年12月に閣議決定された犯罪被害者等基本計画に基づき、法務省が具体案の検討を諮問していた。政府は今国会に刑事訴訟法などの改正案を提出する。
(以下略、以上引用終わり)

 上記記事を参考にしつつ今回の改正案をまとめると、以下の1~9になるようです。

1 まず、今回の被害者参加制度により、
 被害者・遺族・代理人弁護士に
 (1)公判への出席
 (2)被告人質問
 (3)情状証人への尋問
 (4)検察官の論告に相当する最終意見陳述
 などが、新たに認められるようです。

2 また、被害者側が、
 公判の進め方などについて検察官に意見を述べ、
 説明を受けることもできるようになるとのことです。

3 また、この間議論になっていた
 被害者による被告人・証人への直接尋問権については、
 ①被告人質問は「被害者が意見陳述をするために必要な場合」に、
 ②証人尋問は「情状について証言の証明力を争う場合」に認め、
 ③被害者側は、事前に検察官を通じて、
  質問・尋問事項を明らかにすることが必要とされるようです。

4 上記(4)の被害者最終意見陳述では、
 検察官の論告と同様に、
 被害者側が、起訴事実の範囲内で、
 事実関係や法律適用についての意見を述べられる、
 とするようです。

5 上記各制度のの対象事件は
 ①殺人や傷害など故意の犯罪行為で人を死傷させた罪
 ②強制わいせつ、強姦罪
 ③業務上過失致死傷罪
 ④略取、誘拐、人身売買罪などで、

6 公判手続への参加を希望する被害者は、
 検察官を通じて申立て、
 裁判所の許可を必要とするようです。

7 これも議論になっていた、
 刑事裁判で民事損害賠償請求を可能にする
 「付帯私訴」制度も、導入されるようです。
 ここでは、刑事の有罪判決が出た後に、
 同じ裁判官が引き続いて民事の審理を行い、
 口頭弁論は必要的ではなく、
 非公開の「審尋」手続も可能で、
 4回以内の簡易・迅速な審理で賠償額を決定し、
 決定に不服がある当事者が異議を申立てれれば、
 通常の民事訴訟に移行するしくみになるそうです。
 なお対象事件は上記被害者参加制度とほぼ同じですが、
 業務上過失致死傷罪については、
 過失の割合などの審理が長引く恐れがあるため、
 対象から除外したとのことです。
 
8 その他刑事公判記録閲覧・謄写についても、
 民事訴訟を起こすために必要な場合などに限って
 認めていた閲覧・謄写の要件を緩和し、
 「不当な理由である場合」以外は、
 原則として認める、とするようです。

9 また、性犯罪被害者らのプライバシーに配慮し、
 公開の法廷で氏名を明らかにしない措置を
 法律に明記するそうです。

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2006年12月26日 (火)

大阪府・犯罪被害者への住居提供

 自宅が犯行現場となった犯罪では、被害現場が自宅であることが、犯罪被害の「二次被害」の一つの要因になります。そのような被害者にとって、以下の記事のような被害者支援は、とても大事だと思います。
 家賃負担などについても、最大限の配慮をすべきです。本来、そのようなコストは、被害者本人ではなく、社会全体で分かち合うべきです。

(以下毎日インタラクティブ2006年12月24日より一部引用)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061225k0000m040103000c.html
被害者支援:大阪府が住宅一時提供へ 自宅での犯行に対応
 大阪府は21日、殺人や強姦(ごうかん)などの犯罪被害者を対象に、府営住宅を一時的に提供する方針を固めた。自宅が犯行現場になると、遺族らがホテル暮らしを強いられるケースもあり、公的支援を求める声が出ていた。府によると、犯罪被害者のために公営住宅を確保する取り組みは全国で初めて。来年4月からの実施を目指す。
(以上引用終わり)

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2006年8月 1日 (火)

被害者の刑事裁判参加、付帯私訴に関する報道

 以下のような記事がでましたので、とりあえず紹介します。

 以前日経新聞に同様の記事が出たこともありますが、他紙でも確認したわけではないので、どこまで正確な情報かは不明です。

 この問題についても、今後このブログでも検討を加えたいと思います。

(以下引用:2006・7・31毎日新聞)

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060731k0000m040101000c.html

法務省:被害者在廷容認へ 刑事裁判公判で被告に直接質問

犯罪被害者のための施策として、法務省は、被害者が刑事裁判の公判で当事者席に座ることを新たに認め、加害者(被告)に直接質問できる制度を設ける方針を固めた。これまで直接質問はできなかった。刑事裁判の手続きに併せて被害者が加害者に損害賠償を請求し、同じ裁判官が刑事と民事双方の判断をする「付帯私訴制度」も導入する意向だ。9月に法制審議会に諮問し、来年の通常国会に刑事訴訟法などの改正案を提出するとみられる。

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2006年7月14日 (金)

被害者には被害発生直後から専門家によるサポートを保障すべきではないか(広島の事件から考える・その3)

 7月9日のブログ投稿記事について、先日からの話題の続きです。

 今回の広島の事件でご遺族に代理人(弁護士)がつかれていたかどうかはわかりませんが、一般的には、犯罪被害にあわれた方に初期段階から弁護士がつくケースは少ないのが実情です。

 先日、被害者氏名については実名・匿名報道の選択を基本的には被害者にゆだねる形にすべきではないか、と書きました。このほかにも被害者が決断を迫られることは数多くあります。たとえば加害者対応、マスコミ対応(過剰報道に対する抑制も含みます)、捜査への協力の仕方、刑事裁判への出廷・意見陳述の有無など。今回のご遺族の報道機関への要望(事件につき詳細な事実報道を求めるというもの)も、このような決断のひとつです。

 被害者は、被害にあってから、さまざまなことを考え、対応していかなければなりません。しかし、被害にあうまでは刑事手続とは縁がないところで生活されていた方が、これらすべてについて、短期間に的確な判断をすることは、きわめて困難と思われます。
 またすべて一人で判断しなければならないとすると、精神的な負担も相当のものになるでしょう(そのような負担状況は、被害からの精神的回復の過程を妨げ、悪化させることになりかねません)。
 さらに、ある判断から予想外の結果・効果・反応が生じた場合、そこには二次被害も生じうることになります。
 以上から、的確な判断の必要性と、判断のためのサポートの必要性(負担軽減の必要性)は、きわめて高いと考えます。

 このような必要性をみたすために、私は、被害者には、被害発生直後から、公費で弁護士によるサポート(代理援助)をすべきだと考えています。

  ・まず、サポート主体は、弁護士がよいと考えます。というのは、犯罪被害にあうこと=刑事事件手続に巻き込まれるということであり、刑事手続は「法」的手続ですから、法的知識・経験を十分にもつ者がサポートにあたるべきだからです。弁護士であれば、その法的知識をもとにアドバイスが可能です(被害者援助に十分な理解のある弁護士であることが大前提ですが)。

  ・「被害発生直後から」とするのは、被害者には弁護士とのつながりがないことが多く、またそもそも弁護士を頼もうという発想になりづらいことから、制度的に(=自分から探しに行かなくても)弁護士とのアクセスを保障すべきと考えてのものです(もちろん、自分の頼みたい弁護士の選任を否定するものではありません)。

  ・「公費で」とすべきなのは、被害者に経済的負担を要求することが、実質的に弁護士依頼意思を阻害することになるからです。被害者が不当な経済的負担をすることなく、弁護士の援助を求められるようなシステムを作るべきと考えます。
 今でも法律扶助協会による「犯罪被害者援助」制度による被害者への費用援助(http://www.fujotokyo.jp/contents/other.html(扶助協会HP)、http://www.navs.jp/law/law-a/law-19.html(「あすの会」HP))がありますが(もっとも、まだ認知度は十分ではないようです)、このような援助を、被害者に対する社会的支援として、公費を投入して行うべきです(なお、このような支援が実際に行われている国もあるようです)。

 なお、この10月から、司法支援センター(法テラス)が始動します。法テラスの業務には、「被害者援助に精通する弁護士」の紹介業務も含まれます(総合法律支援法30条1項5号、http://www.moj.go.jp/SHIHOUSHIEN/service.html)。まだ始まっていないこともあり未知数の制度ですが、ここまで述べてきた援助の実現のために、まずはこの制度の機能に期待してみたいと思います。

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犯罪報道(加害者・被害者氏名)は匿名であるべきか(広島の事件から考える・その2)

 7月9日のブログで引用した木下あいりさんの事件報道に関する記事には、いくつかの論点が含まれます。

 先日の投稿ではそれらを十分に検討できなかったので、ここであらためて、諸論点のうち以下の2点について検討してみたいと思います。

1 犯罪報道は匿名であるべきか
2 被害者には被害発生直後から専門家によるサポートを保障すべきではないか

1 犯罪報道は匿名であるべきか

 この問題には、①加害者氏名は匿名報道である必要はないか、という問題と、②被害者氏名は匿名報道にすべきではないか、という2つの問題が含まれます。

(1) ①については、たとえば同志社大学の浅野健一教授(元共同通信記者:http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/)は、以前から、完全匿名報道を主張されています(「犯罪報道の犯罪」(講談社文庫)など)。
 その理由は、加害者氏名を匿名にしても報道の使命は十分に果たされる、それ以上に実名報道をすべき公共上の理由はない、というところにあるようです。

 大胆な見解ですが、検討の必要は十分にあるように思います。
 たしかに、報道の使命(憲法上保障される「報道の自由」の意義)は社会で起きたある事実を広く伝えることにあるし、究極はそれに尽きるのだから、伝える必要があるのは、たとえば「これこれの理由によりこういうことが起きて、その結果こういうことになった」ということで足りるとも考えうるように思います。

 しかし、さかのぼって、はたして「事実」とは何でしょうか。
 Aさん、Bさんという抽象化された「人間」ではなく、特定のたとえば「松原」が行なったという人的個性と「事実」とは、やはり不可分であるように思われます。
 そして特定の人間の個性を表象するものが氏名(実名)であるならば、実名報道を認めざるを得ず、それを否定するには相当の優越的利益(ただし、可否の判断基準が「優越的利益」すなわち「利益の比較衡量」でよいのかについては、意見を留保します)が必要と思われます。
 ここにいう「優越的利益」として検討されるのは、たとえば加害者が少年であることなどが考えられるでしょう(その是非はここでは論じません。また仮に少年を匿名としても、被害者に実名を教えることの可否は、また別の問題です。)。

 なお、加害者実名報道は加害者のみならずその家族の生活にも重大な影響を及ぼしますし、更生意思のある加害者の更生への障害になることも予想されます。したがって実名報道を原則として認める場合には、同時に加害者の更生のための十分な制度的手当(前科に対する社会的偏見の除去も含みます)も不可欠と考えます。それがあって、初めて犯罪実名報道は社会的に有効に機能することでしょう(その点、とくに「人はなぜ/どのように罪を犯すのか」についての社会的認知に、今後実施される裁判員制度で得られる社会的経験が、大きな役割を果たしうると期待しています)。

(2) ②にについては、とくに少年事件で加害者が匿名報道されている場合に、なぜ被害者だけ実名なのか、という形で問題が顕在化します。

 これも、「事実」にとって実名が重要な要素であると考えれば、実名報道を一般的に否定すべきではなく、それを否定するにはそれなりの「優越的利益」(判断基準については上に同じく意見留保)が必要なように思われます。ここにいう「優越的利益」には、「被害者の心情・生活の安定」が含まれるでしょう(一般論としては、これは報道の自由に対して相当程度「優越」すべきように思います)。

 なお実名報道の前提として報道される者に対するに対するサポートが重要であること(とくに、犯罪被害についての社会的理解の深化と、いわゆるメディア・スクラムの防止)は、被害者についても同様です。被害者の実名報道も、被害者への十分なサポートがあって、初めて社会的に有効に機能すると考えます(実名報道による「二次被害」の大きな原因はここにあるのではないか、と思われます)。

(3) 以上の①②と考えてくると、③について、匿名・実名の選択は基本的に被害者の選択にゆだねるべき(被害者自身による「利益の放棄」は認めるべき)ではないかと思われます。もっとも、そこにいう「被害者」とは誰をさすのかという問題がありますし、またその問題をクリアしたとしても、被害者が常に適切な選択をできるかということは別問題であって、被害者に選択権をゆだねる場合、そこには選択権を適切に行使する前提としての十分なサポートが必要と思われます。後者は、2の問題に関連します。

 長くなったので、2についての検討はまたの機会にします。

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2006年7月 9日 (日)

犯罪被害報道はどうあるべきか?

広島の小1殺害事件被害者の父親が、亡くなった木下あいりさんの実名報道ほか被害の詳細を報道してほしいとマスコミに希望した件について、毎日新聞が下記の特集を組んでいましたので、紹介します。

(以下引用:2006年7月9日毎日新聞)

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/archive/news/2006/07/09/20060709ddm012040146000c.html
広島・小1女児殺害:性犯罪の事実、詳細報道を 父の訴えに共感と戸惑い

 広島市で昨年11月、下校途中に殺害された小学1年の木下あいりちゃん(当時7歳)の父建一さん(39)が、「性的暴行で、あいりは2度殺された」として性的被害の事実を詳細に報道するよう訴えたことへの反響が広がっている。発言に対する共感の声が寄せられる一方で、報道を通じて性犯罪被害者を偏見の目で見る世間の意識を変える必要性を指摘する意見も出ている。

(引用終わり)

 記事によれば、お父さんは、被告への死刑求刑を報じた新聞各紙が性的暴行の詳細を報道しなかったことを受け、「判決も同様の記事なら、(被害の実態が伝わらず)あいりや性犯罪に苦しんでいる人に申し訳ない」と思い、今回の取材に応じたそうです。そしてお父さんは、「性犯罪が表に出ないから被害者が増えるのではないか。性的被害の事実を表に出してもらい、なぜ死刑が求刑されたかを伝えてほしい」「性的暴行は拷問に等しい。犯人は2度命を奪った」と訴えたとのことです。

 この記事にはいくつかの大事な論点が含まれると思いますので、次の機会に論じてみたいと思います。

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2006年6月26日 (月)

7・29 「犯罪被害者と警察の責任」を問う市民の集い

以下のシンポジウムの紹介をいただきました。個人的に存じ上げている方も参加されます。皆様にもぜひご参加いただければと思います。

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   「犯罪被害者と警察の責任」を問う市民の集い

     桶川・栃木・牛久の三国家賠償訴訟の勝利めざして

 講演「犯罪被害と警察」黒木昭雄(警察ジャーナリスト) 

 原告・犯罪被害者遺族の訴え

     桶川ストーカー事件:猪野憲一さん・京子さん

     栃木リンチ殺人事件・須藤光男さん

     牛久リンチ殺人事件・岡崎后生さん

全体司会;田島泰彦(上智大学教授)

[主催] 7.29市民の集い実行委員会

[共催]桶川ストーカー事件国家賠償訴訟を支援する会

日時:7月29日(土) 午後1時30分~5時場所:自動車会館・大会議場

   最寄り駅・JR総武線/地下鉄有楽町線・南北・都営新宿各線

                 市ヶ谷駅(地下鉄2番出口)徒歩2分

*連絡先:福地輝久法律事務所 TEL043-643-7100

総合司会;田島泰彦(上智大学教授)

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2006年6月25日 (日)

片山徒有さん講演

下記のシンポジウム・講演があったようです。

片山さんは、1997年に息子隼君(当時8歳)が登校中にダンプカーにひかれて死亡した事件について、運転手が不起訴処分になったことから、夫婦で再捜査を求める運動を続け、その結果として検察が再捜査を行い、これにより運転手が起訴され、有罪判決を受けた、という事件の被害体験を持つ方です。

そしてこの件が、犯罪被害者問題を見直すひとつの契機になったといわれています。

さて、交通事故その他の犯罪(または犯罪性が疑われるもの)については、事件発生直後の初動捜査のやり方により、その後の展開が大きく左右されます。

記事によると今回の講演で片山さんは「交通事故だから捜査が十分でなくても仕方がないとは思わない。命の重さを考えて、二度と交通事故が起きないような捜査をしてほしい」などと訴えた、とのことです。上記のような経験をお持ちの当事者からの指摘として、重く受け止める必要があります。

また犯罪被害者問題については、被害者に対する、被害発生直後からのサポート体制の整備も、緊急の課題と思います。この点もいつか触れたいと思います。

なお片山徒有さん主催のフォーラム「あひるの一会」ホームページはこちら→ http://homepage2.nifty.com/AHIRU/

(以下毎日インタラクティブから引用)

通学路:安全シンポジウム 片山隼君の遺族が講演
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060625k0000m040104000c.html

 登下校中の子どもたちの命をどう守るかを話し合う「第8回通学路の安全を考えるシンポジウム」(毎日新聞社、大阪府豊中市教職員組合・同市PTA連合協議会主催)が24日、豊中市立南桜塚小学校で開かれた。片山隼(しゅん)君死亡事故の遺族、片山徒有(ただあり)さん(49)=東京都世田谷区=が基調講演し、参加した保護者や教職員らに命の重さを語りかけた。

毎日新聞 2006年6月24日 23時11分

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2006年6月21日 (水)

山口・光市事件最高裁判決

1999年に山口県光市で起きた事件の最高裁判決がありました(下にアサヒドットコムからの引用)。破棄差戻し、だそうです。

私自身刑事弁護、少年付添人活動を行っている弁護士ですが、少なくとも私たちは、被害者の存在・人生・思い、そしてそれらを奪ってしまった事件というものの意味を、常に考えなければならないし、忘れてはならないのだろうと思います。その点で、この事件の教訓をあらためて肝に銘じる必要があります。

(以下引用)

山口母子殺害、元少年の無期判決破棄 死刑の公算大
2006年06月20日20時14分

 山口県光市で99年、主婦(当時23)を強姦(ごうかん)しようとして死なせ、長女(同11カ月)も殺害したとして殺人と強姦致死、窃盗の各罪に問われた元少年(25)に対し、最高裁第三小法廷(浜田邦夫裁判長)は20日、無期懲役とした二審・広島高裁判決を破棄し、審理を差し戻す判決を言い渡した。第三小法廷は「元少年の責任は誠に重大で、特に酌むべき事情がない限り死刑を選択するほかない」などと指摘した。差し戻し審で元少年に死刑が言い渡される公算が大きくなった。

http://www.asahi.com/national/update/0620/TKY200606200370.html

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