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2007年9月11日 (火)

子どもと「退去強制」

昨日は弁護士会に外国人支援ボランティアの方をお招きして、外国人・民族的マイノリティの子どもたち、とくに非正規滞在者の子どもたちをめぐる問題について、勉強会を開催しました。

最近は、日本で生まれ育ちながら親に在留資格がないために退去強制になった子どもについて「親が悪いんだから、子どもも日本にいられなくても仕方ない」という言説もみられます。しかし現場で子どもの顔をみていると、問題はそんな単純に割り切れるものではないと感じます。

さて昨日は嬉しいことに、修習生や新規登録弁護士も勉強会に参加してくれました(ありがとうございました)。弁護士の勉強会参加人数も増加傾向にあるように思います。この問題に関心を持つ方が増えつつある、ということでしょう。

勉強会が終わり家に帰ると、TBSのニュース23で、今年5月にフィリピンに強制送還された母子のその後の生活のレポートをやっていました。お世話になっている先輩弁護士が担当していた事件のようです。この種の企画はあまりないので観ていたのですが、テレビを観ながら、今この画面に写っているこの女の子の顔を裁判官は判決を書くときにどれくらい想像しているのだろうか、今このテレビを観ているだろうかなどと考えはじめると、どよーん、と暗い気持ちになってしまいました。

今ここにいる、今となりにいるこの子の生活を、友達を、夢を、すべてぶち壊してしまう力が、「法律」にはあるのか?「国籍」「在留資格」にはあるのか?
前にも同じようなことをこのブログに書いた気がしますが、「法」とは何か、「裁判」とは何か、今あらためて真剣にその意味を考えてみる必要がありそうです。

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