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2006年8月12日 (土)

「六ヶ所村ラプソディー」

 今日は、西荻区民センター(http://www16.ocn.ne.jp/~nisiogi/)で行われた、

青森県・六ヶ所村のドキュメンタリー

「六ヶ所村ラプソディー」(鎌仲ひとみ監督(http://www.teu.ac.jp/info/top/profile/83.html))

の上映会を観に行ってきました。

「六ヶ所村ラプソディー」
(公式HP http://www.rokkasho-rhapsody.com/
オフィシャルブログ http://rokkasho.ameblo.jp/
:ストーリー(上記HPより)‥
「 2004年、六ヶ所村に原発で使った燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場が完成した。
 この工場の風下には豊かな農業地帯が広がっている。菊川さんは12年前からチューリップ祭りを開催し、再処理計画に反対し、くらしに根ざした運動を実践している。
 隣接した村々で農業を営む人々、特に有機や無農薬で安心、安全な作物を作ってきた農家もまたこの計画を止めたいと活動している。
 一方、六ヶ所村の漁村、泊では職を失った漁師の雇用問題が深刻だ。村はすでに再処理を受け入れ、経済的にも雇用の面でも必要だという考えが行き渡っている。
 2005年、イギリスの再処理工場で事故が起きた。取材で見えてきたのは事故の影響よりも、44年間日常的に放出されてきた放射性物質の行方だった。
 圧倒的な力と経済力に、普通の人々はどうやって立ち向かっていけばいいのだろうか。その取り組みを、人々の営みをそしてそれぞれの選択を見つめてゆく。 」

 感想を言うと、とてもすばらしい作品でした。

 上映終了後、鎌仲監督のトークがあったのですが、お話をお聞きしていて、
今回の作品を制作する際の監督のスタンスとしては、
従来の「(核燃料再処理施設)賛成派」「反対派」という枠組みから自分の立場を解き放って考え、
現状の「賛成派」「反対派」がくっきりと色分けされている断絶状況を見て、
現状から未来につなげるためにこれからはどうアプローチすべきかを考え、
そのアプローチの枠を踏み外さないように丁寧に今回の作品を撮っていく、
という姿勢があるように見えました。
 そして、その姿勢に私は共鳴するところ大でした。

 このスタンスの表れとして、今回の作品では、「賛成派」住民などの声も、批判対象としてではなく、丁寧に拾おうとしています。そのような声を聞き、そこにある人間の姿もしっかりと見ることが(そしてさまざまな立場の人の声を聞いて、必要があると感じれば自分の考え方も変えていくことが)、人の営みとして起きるさまざまな問題の、解決の糸口をつかむことになるのではないでしょうか。

 監督のトークの中で個人的におかしかったのは、

「今回のドキュメンタリーを撮るとき、賛成派からは(鎌仲監督は以前に「ヒバクシャ」という映画(http://www.g-gendai.co.jp/hibakusha/)を撮っていることもあって、)『鎌仲はどうせ反対派の映画を撮るんだろう』と思われ、反対派からも『鎌仲は反対派の映画を撮るに違いない』と、どちらからもそう思われていた」という話です。
 私自身もいくつかの運動にかかわっているときに、同じような思いをしたことがあります。もちろん私を反対側とみなす側からのレッテル貼りにも閉口しますが、それ以上にとくに、従来からあるいわゆる「運動(体)」の側が、私のやっている活動を、従来の自分たちの活動にひきよせて(=自分たちと同じスタンスに立つものとして)考えようとするその吸引力たるや、なかなかのものです。
 従来型の「運動」(私は必ずしもそのすべてを否定しているわけではありませんが)の限界を感じ、新しい形を模索しようにも、その道はさまざまな理由で容易ではありません。鎌仲監督も、これと同じような苦労をされているように感じ、どこでも一緒なんだなー、おかしいなー、と思いました。

 さて、今回の上映終了後に読んだのですが、鎌仲監督著「ヒバクシャ~ドキュメンタリー映画の現場から」(影書房・2006))という本も、おすすめです。「ドキュメンタリー」という手法の持つ可能性についての話(141ページ)など、非常に参考になる部分が多数ありました。

 以上の結論:この作品を一度観ていただければと思います。そしてこの作品で伝えたかった主題である「原子力発電」問題についても、私たちは考えなければなりません。そしてこの問題はきっと、六ヶ所村の中だけで解決のつく問題ではない、社会のあり方が問われている問題なのでしょう。

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