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2006年7月10日 (月)

「取調べの可視化」

警察、検察による刑事事件の取調べは、取調官(警察官、検察官)と被取調者以外は立ち会わない「密室」で行われています。

そして、そこで作成された「供述調書」などの資料は、刑事裁判に証拠として提出されます。しかし法廷では、その証拠を裁判所で採用してよいかどうかを決めるときに、「あの調書は脅されて/騙されて作成した」「言っていないことが調書になっている」といったトラブルが後を絶ちません。

このようなトラブルを防止するには、取調過程をすべて録画録音し、取調べのやり方を事後的に第三者が検証できるようにする必要があります。事後的チェック効果だけでなく、これにより取調べのやり方に対する抑止も働くと思われ、トラブルの事前予防効果も期待できます。これを、「取調べの可視化」といいます。

日弁連などによる「取調べの可視化」実現運動をうけ、このたび検察庁は取調べの一部を試験的に録画するとの方針を発表しました(下の記事はその実施方法に関するものです)。

しかし取調べは警察で始まるものがほとんどで、検察庁での取調べは、警察で作成された調書の確認的意味合いが強く、可視化するのであれば、警察段階の取調べから含めて捜査の全過程を録画録音しなければ実効性がないと思われます。

近く迫った裁判員制度実施をみすえても、この問題は後回しにはできません。取調べの可視化について、警察段階の取調べから含めて捜査の全過程の可視化に向け、さらに前向きな議論が早期に進むように願っています。

(以下引用:日経ネット2006年7月3日)

NIKKEI NET
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060703AT1G3002T02072006.html
容疑者取り調べでの録音録画、検察の実施概要判明
 法務・検察当局が試行する、取り調べ過程の一部の録音・録画について、具体的な実施方法の概要が2日、明らかになった。2台のビデオカメラで、容疑者と取調室内の様子を同時に収録。両方の映像を一画面で見られるように記録する。映像・音声は後から編集できないように、一度だけ書き込み可能な媒体に保存する。

 録音・録画の対象は、一般市民が審理に参加する裁判員制度の対象となる殺人や放火などの重大事件。最高検を中心に検討し、必要性があると判断した東京地検が担当する事件で近く試行を始める。 (07:00)

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